8月24日(金)
5Sネットワーク見学会が、相洲楼で行われました。


相洲楼は足利にある歴史ある料亭ですが、もともとのルーツは旅籠(はたご)でした。足利市・近隣の桐生市が繊維の街として栄えていたという事で、当時京都から来られたお客様をおもてなしする場として利用されておりました。
この相洲楼で5Sに踏み切ったのは、現在の女将が代表になった数年前からです。
当時の大女将が「もったいない」となんでも取ってく方で、お店の中はモノであふれかえっていた状態でした。大女将がお亡くなりになり、現在の女将が代表になったときに、常連のお客様から「5Sやった方がいいんじゃないか?」と言われたのがきっかけで相洲楼の5Sが始まりました。
女将にしてみると、今までずっと「もったいない」とモノを捨てない考えを教えられてきた環境下だったため、整理(モノを捨てる)ことから始まる5S活動が最初は自分になじまなかったそうですが、「なぜ捨てなければならないのか」「捨てる事で何が変わるのか」をきちんと説明する事で5Sの事を少しずつ理解して頂きながら活動を進めていきました。
最初は「明らかに不要なもの」を対象に「使えるか使えないか」を判断基準として捨ててもらいました。次のステップとして「使えるけど使わないモノ」を対象に「使うものか使わないものか」を判断基準に捨ててもらいました。
こうして、最初は捨てるというハードルをできる限り低くした段階から、徐々にレベルを高く設定して整理清掃活動を行ってきた結果、お客様が宿泊する際に使用していた布団関係を、現在は宿泊を行っていないという事ですべて破棄しました。布団に入った綿は、打ち直なおせば、座布団としても使用できるからと捨てずに取っていましたが、近年、座布団を使用した客室レイアウトが激減し、テーブル席にシフトしている現状を踏まえ、これからは必要ないと決断して頂きすべて破棄しました。また、昔から使用していた送迎用のバスも、利用頻度が低くなったことから、思い切って破棄してもらいました。
また、季節ものであるお雛様人形や五月人形などの装飾品を店内に飾るのですが、小物点数が非常に多いため、セッティングするのに時間がかかるし、保管場所がバラバラであったため、毎年何点かは行方不明になり、その都度探す手間がありましたが、モノを減らしスペースが確保されたため、展示する場所のすぐそばに置く事ができ(手元化する事ができ)、同じ場所にまとめて収納する事ができた(一括管理する事ができた)為、作業が短時間で行える様になりました。
5Sの見学会というと、圧倒的に工場が舞台になることが多いためか、料亭を舞台にどのような取り組みをされているのか皆さん興味津々で質疑応答では数々の質問・意見が飛び交う非常に良い雰囲気のネットワーク見学会でした。
ここで一つご紹介。
相洲楼で昔から使用している、お酒の数をカウントする表示板です。


それぞれの客室で、何本お酒が出たのかをカウントします。そろばんの要領で、出た本数だけ(裏に数字が書かれた)小さな扉をひっくり返す造りになっております。女将曰く、創業当時から使用しているのではとの事。もう100年以上前になりますね。
ちなみに、この掲示板はいまだに使っているとの事。すばらしい!